パワーウィンドウ

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街には僕を惹きつけるものが多い.たとえば動く歩道があれば,止まって乗る,歩いて乗る,逆向きに歩く,座ってみる,横の通常の歩道を歩いて動く歩道に乗っているヒトを追い越す.たったこれだけでもたくさん遊べる.
 それだけではなく,街にはたくさんの刺激的なものが落ちている.たとえば,裏向きに落ちているチラシ.たとえばしゃべるバスの停留所.その中でも格別にいいのはボタンだ.
 ボタンは「押す」という機能をアフォードしている.「押すという機能を形態が情報として発信している」のだ.ちょっと頭の不自由なヒトの言い方をするならば「このボタンがあたしに押せって言ったの」だ.
 だから,小学生とかいまいち締りの悪い高校男児なんかは,消火栓のボタンを押して非常ベルを鳴らしたりしてしまうのだ.押してしまうコドモが悪いんじゃない.確かに,ボタンは「押してくれ」といっているのだ.そう,ボタンが叫んでいるんだ.押してくれって.
 って,まぁ,なんだ,がんばって長く書こうかと思ったけど,やめた.京阪の特急についてるパワーウィンドウボタンを押しただけ.全力で押しに行ったら,近くにいたおばあさんが「刺されること」をアフォードしたのか,ものすごくビビッてたらしい.