年始とわたくし1

毎年毎年、年始はついてない。例年のことだからといってついてないことに慣れるかというとそんなことはなく、今も布団の中で一人丸くなっている。泣きそうだ。
 例年のことだから省略するが去年はインフルエンザで今年は牡蠣だ。牡蠣はこれまた毎年どこかで当たっているので、症状と、一応記憶に残っている献立から特定できる。まあ、今年は牡蠣だ。大晦日にあげた牡蠣を昨日(2日)食ったから間違いない。
 牡蠣は当たったヒト、牡蠣のランク、鮮度、調理法、調理したヒトのランク、調理後の経過時間等、数多くの要因のバランスによって食中毒の症状を多岐に変える。今現在の症状は頭痛、吐き気、下痢、筋肉痛、発熱とかなりやっかいな複合型だ。熱いくせに寒気がし、寒いくせに熱が高い。体は痛いが上下でトイレに行きたがり、屁は熱く、常に「チョロリ」の恐怖に怯える。「27歳で漏らしたくない」
 頭痛と吐き気はとても巧妙にこちらの心理を読み解き(さぞかし立派な他者のモデルが出来ていることだろう)油断をさせ、外出させ、引っ込みがつかない状態、いわば完全なるチェックの状態に追い込んでくる。
 そんな奴らの隙をついてでも外出しなければならないところがあった。コンビニだ。
 お茶、ポカリなどの水分だ。こればかりは減らすことは出来ない。俺はジャージにマフラー、長いコートというこの冬の伊達者スタイルに身を包み闘いの火蓋を切った。(続く)