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あらすじは「公式」で見ていただけるとよいのですが.

出会い系サイトでであったカメラマンと14歳の少女.少女は言葉巧みにカメラマンの家に行き,お酒を飲み,飲ませる.カメラマンが少女を連れ込んだつもりだったが,実は少女がカメラマンを嵌める罠にかけたのだった

みたいなお話です.

 ストーリーそのものは,個人的にいくつか未解決の点があったりして消化不良はありましたが,よくできたサイコスリラーでした.天才やキチガイを一人も出さず,台詞と状況でスリルを作り出し,登場人物の心理状況を喚起させ観客に共感させていました.
 この映画には,登場人物が総勢5人.劇中の大半をカメラマンと少女の2人だけが占めています.必然的に二人の台詞は長く,多くなり,2人だけであることで生じる展開の少なさを補うために共感させるための,状況を理解させるための演技力が必要になります.この14歳の少女役を演じた「エレン・ペイジ」.この子の演技力も見ものでした.時に淡々と,時につばをとばしながら勢いよく,台詞を話し,時に淡々と,時にめまぐるしく感情を表現する.それは,出会い系サイトでだますつもりだったカメラマンをだますだけではなく,観客までもだまされるほどでした.
 少女趣味は無く,去勢する気も無いですが,世のロリコンとか痴漢とか手鏡とかもってる人には見て,肝を冷やしてほしい映画でした.