岡島礼子さん

昨日の日曜も恵文社のギャラリーを見に行ってきました.日本はふらっと立ち寄る美術館とかがないといわれますが,結構あるのです.毎週のように素敵な写真や絵,造型を(無料で)みることができる場はあるのですから.
 昨日は「岡島礼子さん」という京都市芸出身の作家さんで,「ドライブしよう!」という連作の切り絵でした.

 行くまでは「来週になったらつみ木の造型が見られるけど,まぁ,今日も行っとくか」という軽い気分だったのですが,そんな気分は連作の表紙を見たときにすっ飛びました.「あなたはどの車?」という額の前でスクーターやダットサン,トラック,バス,ミニなどたくさんの車がカラフルな切り絵によって表現されていました.切り絵は直線でもどこか曲線的でとても優しくみえます.
 車を選んだところで出発して,ユーモラスな建物や店が並んだ街を抜け,薄暗いトンネルを抜け,光溢れる花畑を抜け,雨がふったり,やんだり,そして日が落ちて,全体的に青色がかった画用紙で表現される家々に黄色で表現された夕餉の火が灯る石畳の街に帰ってきます.
 文字で書くとたったのこれだけなのですが,切り絵で表現された街並みや花畑はとても細かく,面白く,「商店街の中で売られているもの」や「風車の中の人々」「トンネル内の工事」,こまごまとしたものまでもが色とりどりの画用紙で生き生きと彩られ目を惹きつけられました.
 印刷物になってしまった切り絵はオリジナルの陰影や重なりが射影されず,オリジナルを思い出す手がかりとしてはありですが,残念ながら,購入までにはいたらず.また機会があれば見たいと思います.