固有値

統計とかNNとかいろんな分野で現れて僕らの頭を悩ますくせに,基本的なツールとして獲得しなければならないものに「行列」というのがあります.いろいろと便利なんだけど,その実態が何か?と問われると微妙な回答をしてしまい,反省して,調べ直して「なるほどふむふむ」とかおもうんだけど,再度問われると「あれ?」となるのが「固有値」というやつです.

wikipedia様に問いかけると

線形変換の特徴を表す指標として固有値固有ベクトルがある。与えられた線形変換の固有値および固有ベクトルを求める問題のことを固有値問題(Eigenvalue problem)という。ヒルベルト空間論において線型作用素 あるいは線形演算子 と呼ばれるものは線形変換であり、やはりその固有値固有ベクトルを考えることができる。固有値という言葉は無限次元ヒルベルト空間論や作用素代数におけるスペクトルの意味でもしばしば使われる。

とまぁ,こういうわかったようなよく分からないような回答を返してくれるわけです.可視化しやすい2×2の行列でいうならば,ある行列Sを線形作用素(あるベクトルを別のベクトルに変換するために機能するもの)たとえばベクトルaをbに変換するときにb=Saとするわけです.Sが作用することでaがbに変わるわけです.
 んで,そのときの写像には変換後のベクトルbが変換前のベクトルaの実数倍になるものが存在するわけです.それ以外のベクトルの変換においては,普通,回転とかが入ってきちゃうんだけど,このベクトル"だけ"は特別で入らない.他のヒトが入る余地なんか無いのよ,無いったら無いって言う具合で,写像に特別=固有なベクトルが存在するわけです.で,このベクトルのことを固有ベクトル.これに対応する倍率のことを固有値と呼ぶわけです.まぁ,以上のことを式として書くと
Sx=\lambda x
となってSが行列,xが固有ベクトルlambda固有値なんです.
 図で描くと,緑の丸が変換前のベクトルの集合.で,Sという行列を作用させることで,青い丸で描かれるベクトルの集合に移るとします(そういうSを選ぶわけです).そうすると,ベクトルtはSによってt'に移りますが,実数倍ではなくなんだか,傾きも変わってしまっています.これに対してベクトルuはu'とい迂回転が加わっていない実数倍になっているわけです.つまりベクトルuが行列Sに対する固有ベクトルなんですよ.
f:id:muddydixon:20060130014408g:image
 と,まぁ,ここまで書いて「だからなに?」って問われると,こんなに判りにくいくせに,結局何?なんの役に立つの?と思われかねない固有値を専門に調べてるホームページがあってマニアックで素敵だった上に,メンバーが偉い先生だったので貼ってやりたかっただけです.固有値でご飯を食べられるくらい固有値はえらいんです.きっと.たぶん
 固有値・固有ベクトル計算機構(The Organization of Eigenvalue and Eigenvector Computation, OEEC)