議事録とホワイトボード

OJT中の新人さんと話をしていて、なんとなく整理がついてきたので書く。

どこの会社でも会議って結構あると思いますし、まあ、「この会議、なんなの?」って思うのもそれなりの割合であると思います。

で、こういう会議がいやでいやで仕方がなくて結構いろいろトライアルをしたことがあります。

過去にやったこと

  • こっそりすべての会議室に「アジェンダを決めない会議は無駄」「事前に資料シェアが無い会議は無駄」「TODOが決まらない会議は無駄」みたいなことをやんわりと書いた張り紙を貼る
    • 総務部に怒られて剥がされされた
  • 会議の価格」という今思い返しても赤面もののWebAppを作った
    • 週アスに取り上げてもらったり、他社さんから「使ってもいいですか?」って来たけど弊社では根付けられなかった
  • 「ブレスト」「意思決定」など、会議をタイプ分けして、議事録のテンプレートを用意した
    • 結構頑張ったけど根付けられなかった

うまく行かなかった

自分の根性が足りない、使い勝手が悪い、会社のシステムと組み合わせられなかった(システム的に、調整的に)など、いろいろ理由はあると思います。 でも、結局、会議自体多様すぎて、参加者のモチベーションが上がる会議もあれば、上がらない会議もあると思います。 それら全てに議事録取れ!とかだるいし、やってられないと思います。

ここからが本題

悪い会議はまあ、なんていうか税金と思っておとなしく参加していればいいと思うんですが、内容はいいし、方向性もいい会議なんだけどファシリテーションがいまいち!って思う会議が一番悔しい会議です。 かと言って、ファシリテータは偉い人で自分がガンガン前に出るのも「ぬーー」ってなる会議。 悔しくて仕方がない。

そういう会議の時に以下のことをやるようにしています。

  1. ホワイトボードの前に座る
  2. アジェンダ、TODO、図示などをホワイトボードにメモし、タイムキーピングをする
  3. 次回のTODOを誰かにアサインする
  4. 議事録を取って共有する
  5. 次回の際に、振り返りをする

これをやるだけで、偉い人達からすると「頑張ってる社員」になりますし、裏で密かにファシリテータとしての機能を実現することができます。

あくまで議長は偉い人のままなところに注意してください。密かとはいえ、やり過ぎると、「は?お前誰?何様?」みたいな空気になる場合があります。

ファシリテータの役得

上記も結局、大変だし、だるいでしょ?って思われると思うんですが、実はファシリテータにはすごい役得があります。 これを知ったら、みんなが積極的にファシリテータになりたがると思うくらい。

  • 会議をかなりの部分思うがままに操ることができます
  • 場合によれば会議の結果まで思いのところに着地させることができます

ロジック

ホワイトボード

ホワイトボードに、アジェンダ、TODO、スケジュール、図示などをする際に、そっと自分の意思を 紛れ込ませることがいくらでもできます。 「あ、これは発散させる可能性が高い」と思えば、それをそっと無視し、「自分がちらっと発言した内容」をTODOにマップすればそれは誰かがやってくることに出来ます(まあ、概ね自分に帰ってきますが、これは議事録とあわせて効果を発揮します)

TODO

TODOを記載するときに、自分も含めてですが、担当者/締切をマップします。これだけで、偉い人の「忙しかった」を牽制することができます。 また、次回以降の会議の際に、「宿題を忘れた男」として、会議全体の発言力のバランスを調整することも可能になります。

議事録

ここでも文書化する際に、そっと自分の意思を紛れ込ませることが可能です。 締切を勝手にFIXしておく、発言の量を操作する、など様々なことが可能ですが、決して、事実をねじ曲げることだけはご法度です。 「add」「ignore」だけで、「update/overwrite」はNGです。 ただ、これだけでも次回打ち合わせの時に、決定事項として進むことができ、「でも、そもそもさぁ」というcommitmentをrollbackする際の心的ハードルを上げることができ、「前に進む」会議を行う手助けとなります。

目を皿のようにして議事録を読んでいない人はいます。読んでる人はだいたい会議の主要なメンバーかつモチベーションが高い人なのでささっと推進役の役割を当てて、会議潤滑進行のメンバとしましょう。

前回振り返り/宿題

この時間を5分でいいから設けましょう。 それだけでrollbackの心的ハードルを上げ(ry また、ここで宿題を忘れる人が明確になることで、会議に対するモチベーション/commitmentを明確にすることができます。 グダグダな人の発言力を弱め、コミットメントの高い人の発言力が高まるように、自動的に調整されていきます。 シェアって素晴らしい!

と、いろいろ書きましたが

「あの上司むかつくから発言力を下げてやるぜ」「会社の政治、ひっひっひ」などという良からぬ観点ではなく、「前向きに進ませたい!」会議の時のみ、僕は実施しています。 良くない方向で実施して、良くない方向に話が転び、失職しても僕のせいではないです。

OJTの人も、ファシリテータの役割を持てない若手も、こういった会議の技を使えばきっと楽しく、有意義に会議の時間を過ごせると思います!