Android、Chrome、ChromeOS、HTML5からみえるGoogleの戦略

なんとなくいろいろなGoogleのプロダクトを重ねて考えるとこうなのかなぁと思ったので一回まとめてみました。

Googleのビジネスモデル

最初、検索エンジンでスタートした会社は、世の中の検索というニーズをもっともうまく汲み取り、検索というニーズの後ろにあるユーザのニーズを汲み取った。
このニーズは当然のごとく売り物になり、Googleの基盤・主のビジネスである広告モデルを実現しました。

Googleは検索というユーザのニーズをもっとも強く反映しうる情報源をもっとも大量につかんでいます。一人でも多くのユーザがウェブの世界に飛び込んでさえくれれば彼らはどこをどう経由しようと最終的には日本で4割世界では8割もの人がGoogleを利用します。

Googleからするとウェブのシェアを広めるということは広げた分のほぼすべてといっても過言ではない8割ものユーザのニーズが自分たちに集まることを意味しています。

Googleのプロダクト

  • 検索、カレンダー、メールをはじめとするWebアプリケーションを無料で公開する
  • Android、ChromeOSという無料のOSを提供する
  • Chromeというブラウザを無料で提供する
  • HTML5の策定・促進をGoogleは資金・技術提供をする

これら4つの慈善事業とも思える行為もウェブユーザの実に8割ものニーズが集まるという事実を踏まえると実に賢い戦略だと考えられます。

モバイルの世界、組み込み機器(冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコン、炊飯器、芝刈り機、車)、ネットブックから検索が可能になります。
また、さらにいうと上記すべてでカレンダーやメール、そしてWaveで実現するコミュニティ活動が可能になるかもしれません。

しかし、デバイス的にリッチではないクライアントではこれらの情報というのは、状況に応じてGET、POSTする必要があります。たとえば電源が切れかけのときにアクセスして落ちたらいやでしょう。たとえば電波が途切れがちなところで通信をし、データが消えたらいやでしょう。

検索(カレンダー、メール、コミュニティ活動)というウェブ上の行為と、状況をシームレスにつなぐため、HTML5というJavaScript側=ソフト側からハードにアクセスするような機能をつけると同時に、ChromeOS、AndroidというOS側=ハード側からソフトにアクセスを可能にするような機能をつける必要があります。

つまり

Googleの理想とする世界では、

  • Webアプリケーション:ユーザはユビキタスに検索等彼らのニーズという価値ある状況をGoogleに駄々漏れにします
  • Chrome:上記の行為はJavaScript処理に特化したブラウザによって非常に快適に実現できます。
  • HTLM5:新しいJavaScriptの機能によってユーザは状況を考えなくてもよいようになります
  • Android、ChromeOS:これらのWebアプリケーションはなんとデバイスの状況まで考えてくれるからです

ということでGoogleは世の中のニーズをもっとも重要な情報だと考えている、そしてそれらを集めるためならなんでもする、といってもいい企業なんではないかと思ったしだいであります。