Yesterday Today Tomorrow

久しぶりに映画を見に行ってきた.友人が勧めてくれたものだ.この映画はタイの2家族の生活を描いたもの.働いて,ご飯を食べて,家族を愛して,みんなで歌って,サッカーをして,そういう生きていることを愛する映画.ありきたりの生活でどこにでもいる家族.ただ違うのは,2家族ともエイズ患者.
 一方の家族は子供がいる.この子もエイズ患者.10歳くらいから学校にはいけなくなる.母親が家で勉強を教えている.水かけ祭りにも参加し,毎日食事を取る.なんだろう,本当に普通.どこにも感動するところがない.11歳で少年は亡くなってしまう.亡くなる前に病院で少年が体の痛みにむずがると,父親が少年を諭していた.
「お前は,10数年生きることができて,ご飯を食べていたじゃないか.飛行機にも乗ったじゃないか.シンガポールにも行ったじゃないか.世の中にはそれすらできずに死んで行く人達がたくさんいるんだよ.父さんのいっていることがわかるね.だから,点滴を受けて帰ろう.そしてご飯を食べて薬を飲もう.」
 理解しているつもりだったけど,やっぱり,こういう人達は死がすごく身近で,恐ろしいんだろうけど,それでも,どこかで受理している.
 お父さんが繰り返し少年や監督に「今日はご飯を食べることができて,生きている.妻と息子が一緒ですごく幸せだ.明日元気かはわからないけれど,でも,今日はご飯を食べて生きている」となんどもなんども話していた.
 この記事を読んだ人に見ろなんてくだらないことは言わないし,いい映画だったよ,とも言わない.僕自身感動したかと言われると難しい.でも,見てよかったと思う映画だった.

 バンコクポスト紙評

もし,あなたがこの映画を観て泣くとすれば(たぶん泣いてしまうでしょう),それは主役たちをかわいそうに思って泣くのではなく,彼らがしたり,言ったりすることのすべてがいかにももっともであることが理解でき,またそれ以外には選択の余地がないのだというあまりに痛ましい事実に気づいて泣くのである.

 昨日やっていた「リトルバード*1」も見ればよかった.

◆関連リンク
京都精華大学
京都精華大学

*1:http://www.kyoto-seika.ac.jp/t_news/lecture/0003/a.html